研究課題/領域番号 |
18K10537
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤澤 道子 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 連携准教授 (00456782)
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研究分担者 |
坂本 龍太 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 准教授 (10510597)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知症 / 地域 / 予防 |
研究実績の概要 |
本研究は、過疎高齢化の進む2地域(A町とB町)において、町全体が認知症にやさしい町になることで、認知症をもつ住民の臨床症状の進行が抑制されるという仮説を証明するための研究である。 A町では、昨年度の反省に基づき、地域の介護サービス事業所の協力を得て、デイサービスを利用している住民に対して、「Mini Mental State Examination (MMSE)」と昨年充分ではなかった「地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート(DASC21)」による評価を継続しておこなった。さらに住民全体を網羅するため、地域で開催されている高齢者サロン、認知症カフェなどの地域活動のなかでも評価を行なうことを試みたが、検査が地域活動への参加を抑制する可能性が高くなり困難だった。これまでの試みで、住民が認知症と診断されると運転できなくなるのではないかと恐れていることが判明した。そのため、若い世代の住民に働きかけて調査をおこなうメリットを理解してもらい、地区ごとに調査を継続する方法に切り替えた。一部の地域で説明をおこなったところ、若い世代は認知症住民が増えていることに問題や困難を感じていることが判明し賛同を得られたが、感染症の流行が始まってしまい、対象が高齢者となるため、その後進展できていない。 B町に関しては、昨年度、本人にDASC21をおこない信頼性が乏しい可能性があったため、本年度は毎年行っている長寿健診のアンケートに含めて郵送し、家族などの周囲の人から回答を得た。地域の行政、社会福祉協議会などとも協力し、おおむね予定通り進んでいる。 また、本年は幸福度の高いとされるブータンで、地域に住む認知症高齢者の家を訪問し、家族によりどのようなケアがされているのか、また認知症についての地域の理解がどうなのかということを調査してきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
A町の進捗が遅れている。認知症と診断されて差別されること、自動車を運転できなくなることをおそれて検査に消極的な住民多く、調査に協力を得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
A町に住む地域の若い世代に説明会を開催したところ、身近に認知症高齢者がいるが、どう対応したらいいのかわからないと感じており、本調査への理解を得ることができた。そのため、地区ごとに若い世代に調査のメリットを理解してもらい、その世代から親世代である高齢者に働きかけてもらい、調査を継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
町内の地区ごとに介入することにしたため、町を訪問する回数が増えて旅費がかかるため。また、検査自体は大学院生などに依頼することになれば謝金がかかり、本年度のぶんを使用したい。また、認知症啓蒙イベントを開催する予定である(認知症バーチャルリアリティヘッドセットの借り入れなど)
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