研究課題/領域番号 |
18K10585
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研究機関 | 福岡県立大学 |
研究代表者 |
山下 清香 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (40382428)
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研究分担者 |
尾形 由起子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (10382425)
中谷 久恵 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 教授 (90280130)
金藤 亜希子 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 助教 (80432722)
中山 貴美子 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (70324944)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 住民参加 / 保健師 / 公衆衛生看護 / 支援技術 |
研究実績の概要 |
本研究は、行政保健師の住民参加を促進する力量向上を図る教育プログラムの開発を目指している。2018年度は、地域保健活動への住民参加を促進する技術を記述した和文献から、住民参加を促進する技術の内容を明らかにした。 選定した研究論文14件から、住民参加を促進するための行為、判断、思考についての記述を抽出しコード化した。288コードを抽出して類似するコードをまとめ92項目に集約した。内容の妥当性を確保するため、6名の協力者を対象に住民参加の促進技術としての必要性を調査し、半数以上が必要であると判断した項目を選択した。研究者が必要と判断したコードを加えて質的帰納的に分析し、32サブカテゴリ、5カテゴリに集約した。カテゴリは、【住民の地域保健活動への参加を動機づける】【地域保健活動に参加する住民と住民組織を育てる】【地域保健活動に参加できる知識と技術を付与する】【住民参加を推進する仕組みをつくる】【パートナーシップの関係を構築する】に集約された(The 22nd EAFONSで発表2019.1)。コードの作成、カテゴリ化を繰り返して技術の内容を精錬し、最終的に40コード、23カテゴリ、5カテゴリを作成した。住民参加の促進術に関する文献研究として論文投稿中である。 現在、この結果を基に調査票を作成中であり、2019年度は行政保健師を対象に調査を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度は、教育プログラムにおいて向上させるべき技術を明確化にするために、行政保健師を対象にアンケートを実施する計画であった。 文献研究により明らかにした住民参加の促進技術の内容を基に調査票を作成し、行政保健師が住民参加を促進するために必要と考える技術を明らかにする予定であったが、技術項目の精選と構造の検討に時間を要し、調査票作成の途中である。海外で用いられている住民参加の評価指標の要素と比較することで、和文献から抽出した技術の特徴を把握し、技術項目を絞りこむことができた。今後、調査票を完成させて調査を実施し、結果を基に教育プログラムの検討へと進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、文献研究から明らかにした住民参加の促進技術を基に調査票を作成し、10月末までに郵送によるアンケートを実施する。住民参加を促進する力量形成の必要性が高いと考えられる中堅保健師を教育プログラムのターゲットとし、調査結果から教育プログラムを検討する。教育プログラム内容を検討するために、アンケートでは住民参加の促進技術と関連する要因も調査する。 調査票の作成及び教育プログラムの検討に当たっては、先進的な住民参加による保健活動を実践している現場の保健師の助言を得て、妥当性を確保する。 研究結果は英語論文として投稿するため、海外の保健師及びコミュニティナースの住民参加を促進する活動、住民参加を促進する力量を向上させる教育についての情報収集も行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度実施予定であった全国調査を2019年度に変更したため、調査費用を繰り越した。
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