研究課題/領域番号 |
18K10596
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
堀口 和子 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (30379953)
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研究分担者 |
鈴木 千枝 兵庫医療大学, 看護学部, 講師 (10635832)
久保田 真美 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (60759752)
岩田 昇 桐生大学, 医療保健学部, 教授 (80203389)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 多重介護 / 家族介護 / 支援方略 |
研究実績の概要 |
2019年度は前年度に続き,多重介護を行っている家族介護者への面接調査の実施とその分析,多重介護に関する文献レビューの投稿準備,多重介護による家族介護の実態調査の検討会議を実施した。詳細は以下の通りである。 1.多重介護を行っている家族介護者への面接調査では,一人で複数の家族(親族)に責任をもって多重介護している,あるいは多重介護した経験のある家族介護者を対象に14名(前年度との合計数),半構造化面接調査を実施した。多重介護者は13名が女性で50~60歳代であった。責任を持って介護している要介護・要支援者数は2名がほとんどで,なかには5名を介護している多重介護者もいた。要介護・支援者は70~90歳代で,要介護度は要支援も含めざまざまで,多重介護者との続柄は義父母,実父母,夫あるいは妻が多く,なかには親戚も含んでいた。現在データの分析・論文作成の段階である。 2.多重介護による家族介護の実態調査に向けて会議を開催し,調査対象・調査方法について意見交換を実施した。調査対象とその抽出は地域を特定するあるいは全国調査をするのかなど,多重介護者数の状況を調査した上で決定することにした。調査項目は多重介護者・要介護者の概要,多重介護による介護状況,多重多重介護者の身体・心理・社会的状況などである。 3.多重介護に関する文献レビューは共同研究者・研究支援者ともに,論文の選定、データの解釈後,論文作成の段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では,2019年度に多重介護を行っている家族介護者への半構造化面接調査を終了し,多重介護による家族介護の実態調査を実施する予定であった。しかし,多重介護者への面接調査研究において,対象者を確保することが困難であったことから,新たな地域へのリクルート開始を行ったことが研究の遅延につながった原因である。さらに,その面接調査のデータ分析の結果をもとに,次の多重介護による家族介護の実態調査で調査項目として活用する予定であったことから,実態調査の開始についても遅延する結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度では,以下の4点を実施する予定である。 1.多重介護を行っている家族介護者への面接調査において、面接対象を2名追加実施する予定である。そのデータを分析し,その成果は発表を行う。 2.多重介護に関する文献レビューの成果をまとめ,投稿する。 3.多重介護による家族介護の実態調査では,調査対象とその選定,調査項目を再検討し,倫理審査委員会に提出,承認後調査を実施する予定である。この実態調査から,①多重介護による介護状況の分析,②FACLに基づいた多重介護者の家族タイプの分類,③多重介護による介護負担感・介護リスク要因の分析を行う。 4.多重介護者を支援した経験のある専門職へのグループインタビュー調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた,専門職へのグループインタビュー調査、多重介護による家族介護の実態調査の実施を翌年の2021年度に持ち越す結果となり,未使用額が生じることとなった。 2020年度の使用計画は,専門職へのグループインタビュー調査、多重介護による家族介護の実態調査の実施に必要経費を充当する予定である。
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