研究課題/領域番号 |
18K10632
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研究機関 | 九州看護福祉大学 |
研究代表者 |
福本 久美子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (40465787)
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研究分担者 |
茶屋道 拓哉 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (10412785)
福田 久美子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教 (70870872)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 熊本地震 / ソーシャルキャピタル / 健康 / 地域 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
(1)研究目的:熊本地震後の高齢者の健康とソーシャルキャピタル(以下[SC])の醸成のあり方を地域看護と社会福祉の立場から分析し、提言することである。 (2)研究概要:本年度は、第一に、第一調査(質的調査)結果の分析とその結果に関する外部協力者からの助言を得、追加調査を行い結果に関する妥当性を深めるとともに、学会報告を行った。第二は、第二調査(量的調査)の調査内容の検討を行った。追跡調査では、地域のシンボルである神社の完成、復興住宅への入居者と新たな関係形成への苦慮や、地震前から存在していた格差がその後の問題に影響していることが語られた。それらの結果を基に、第二調査の項目として、基礎的項目「居住年数・被災状況・家族構成」、健康関連項目、地震前・後のSC関連項目として「信頼・愛着」・「集まる機会や場」・「ネットワークを構築する手段」、個人と地域の共通のシンボル「神社等」の有無、居住地域外の人々との関係、復興過程の変化などが挙げられている。 第三は、過去の災害(東日本大震災等)資料を分析した。その結果、発災時に工夫された仕組みやその後の法整備によって、災害後の支援の仕組みや工夫が整備されてきたことがうかがえた。熊本地震は、度重なる地震後の人々の恐怖心により車中泊や在宅避難等が特徴である。また、災害への備えの不足は住民にも行政・関係機関に存在していたことをインタビュー調査の発言や報告書から明らかであった。そこで、個人や地域における災害への備えに関する変化の実態をSCと合わせ調査する必要があると考えられる。 (3)今後の方針:量的調査項目は検討したが、令和元年度末から新型感染症による大きな健康危機が発生し、調査方法や時期等に関する再検討の必要性が生じている。新型感染症に関する社会状況を検討しつつ、今後の調査研究を推進していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和元年度末に予定していた過去の被災地域へ訪問調査が、新型コロナウイルス感染症により延期することとなり、文献資料だけで分析したことから、本年度の計画より遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
①過去の被災地への訪問調査の実施 ②第一調査地域での量的調査の実施 ③関係者会議の実施 ④研究遂行上の課題:新型コロナウイルス感染症という大きな健康危機が起こっている中、調査地域との調整や依頼等が進まず、実施方法などの十分な検討が必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
①次年度使用額が生じた理由 前年度の未使用額分と新型コロナウイルス感染症により、過去の被災地域への訪問調査ができなかった分による。 ②使用計画 過去の被災地域への訪問調査の実施
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