研究課題/領域番号 |
18K10632
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研究機関 | 九州看護福祉大学 |
研究代表者 |
福本 久美子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (40465787)
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研究分担者 |
茶屋道 拓哉 鹿児島国際大学, 福祉社会学部, 准教授 (10412785)
福田 久美子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教 (70870872) [辞退]
坂口 里美 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 助教 (50435161)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 熊本地震 / ソーシャルキャピタル / くらしの再建 / 前向きな気持ちにさせた事柄 / 地域外の支援 |
研究実績の概要 |
【目的】熊本地震後の健康とソーシャルキャピタル(以下[SC])の醸成のあり方について、検討することである。 【方法】調査地域は、熊本地震の被災地域であり、研究計画について事前説明と協力依頼を行い、承諾を得た地区(益城町H地区130名と甲佐町F地区100名)である。地域の区長が、対象地区全世帯に自記式無記名質問紙を配布し、研究代表者へ郵送により回収した。調査項目は、基礎的項目(性別・年齢・被災状況)、主観的健康感、SC(信頼・愛着、集まる機会や場、つながり)、くらしの再建と関連項目、前向きにさせたものの有無と内容、居住地域外の人々との関係などとした。 【結果】対象者113名(回収率49.1%)、属性(男性44.1%,女人性55.9%)(60歳未満33.6%,60~75歳未満43.0%,75歳以上23.4%)、被害状況(全壊43.4%,大規模全壊16.8%,半壊14.2%,一部損壊23.9%)、仮設入居経験有46%、仮設入居期間1年以上94.1%、現時点で生活再建ができたと思う人75.7%、生活再建に地域のつながりが生かされた人54.9%、地域以外の支援が必要74.5%、前向きな気持ちにさせたものがある87.6%、その内容は家族79.3%・子供の成長45.7%・地域の神社29.3%・地域の行事28.3%・故郷の景色27.3%であった。 【考察】回答者は、熊本地震で被災し、半数が仮設住宅に入居したものである。5年半経過し、7割以上が生活を再建できたと答え、地域のつながり、災害から復興する過程で前向きな感情が重要な要素であった。しかしながら、時間の経過とともに様々な格差も明らかになり、いまだ生活再建が出来ていない人も存在している。地域のつながりは時に負担となり、外部からの支援の必要性も示唆された。今後は、地域内の格差の縮小や、地域のSCのあり方を地域内で検討し模索する必要がある。
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