この研究では、初対面の相手との関係継続性がある場合とない場合で、初対面の人の顔への親近性の相違と認知的処理過程の相違を明らかにすることを目的とした。女性被験者に対し、一度きりの対面条件(T1)と関係性が続く条件(T2)で初対面の顔写真の男女を区別する課題を実施し,その時の脳活動と反応時間,親近性の程度を測定した.その結果,関係継続の予期で親近性に違いはないが,認知処理ネットワークには相違が認められた.関係継続を予期しているT2条件では,視覚後頭ネットワークと右内側前頭極に正の相関を認め,注意力の上昇と共に相手を知ろうとする社会的認知機能が活性化することが示唆された.
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