筋メモリーの研究は、比較的に新しくメカニズム解明は十分でない。解明に必要な動物モデルも少ない。惹起した肥大を消失させたうえで再肥大させる手順が、先行する多くの筋肥大・萎縮実験とは異なる。今回、マウスでモデルを確立したことで、細胞・分子レベルのメカニズム解明の準備が整った。 ヒト筋メモリーの残存を、経験的に少なくとも十年程度は想定する。このメカニズム解明が進むことで、筋肥大・萎縮予防のための運動の解釈やプログラムが大幅に更新する可能性がある。より長期スパンでとらえる必要がある。また加齢による萎縮、成長期の運動、アスリートのリハビリテーションなど、さまざまに波及することが予想される。
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