研究課題
基盤研究(C)
前回の研究課題「咳嗽能力判定システムの開発」にて咳嗽時の流量波形のシミュレーションが可能となり,今回は高齢者や呼吸器疾患患者への適応について検討した.シミュレーションはおおよそ適合していたが,個人差が大きかった.これは個人によって咳嗽に影響するパラメータが異なることによると思われる.また,吸気量,呼気筋力,声帯機能などの各パラメータが波形に与える影響の違いから,咳嗽力低下の原因判定に応用できると考えられた.
呼吸理学療法
咳嗽時の流量波形には,吸気量,呼気筋力,声帯機能などの各パラメータが影響している.今回のシミュレーションより,「吸気量が減少するとpeakは低下し,波形の面積は小さくなる」,「呼気筋力が低下すると,peakは低下し,やや遅れ,面積は変わらない」,「声帯機能が低下すると,peakは低下し,大きく遅れ,丸くなり,面積は変わらない」といった特徴がみられることが明らかになった.これらの特徴を踏まえることで,咳嗽力が低下している場合の原因の特定につなげられると考える.