研究課題
基盤研究(C)
本研究では筋線維内のミトコンドリア構造について光学顕微鏡システムを用いて観察した。坐骨神経切除による筋萎縮時のミトコンドリア構造は、坐骨神経切除から数日で筋線維短軸方向のミトコンドリアシグナルが消失し、ミトコンドリア構造が崩壊したことが明らかとなった。後肢懸垂による筋萎縮時も同様のミトコンドリア構造の適応が観察された。後肢懸垂後に再接地し、筋重量を回復した際のミトコンドリア構造も確認したが、筋萎縮時と同様の構造をしており、筋重量の回復とミトコンドリア構造はリンクしていないことが示唆された。
運動生理学
本研究の成果として光学顕微鏡システムで骨格筋に存在するミトコンドリアを直接観察することが可能となった。また、筋萎縮時に起きるミトコンドリア構造の変化の一端について新たに示すことができた点に学術的意味がある。今後はこの手法を用いることで糖尿病や加齢が骨格筋ミトコンドリア構造に及ぼす影響について明らかとすることを目指す。また、ミトコンドリア構造に限らず筋線維内の種々のタンパク質局在についても解析することができるため更なる研究の発展が期待できる。