我々は骨格筋肥大時の成長ホルモンの作用について、筋のGH受容体発現調節の面から研究を行ってきた。 本研究では、筋肥大初期(4日まで)に観察されるGH受容体遺伝子発現の低下が骨格筋のGHに対する反応性に影響するのか否かを検討するために、片脚に4日間の代償性肥大を処置した下垂体摘除ラットにGH投与を行い、GHにより発現が誘導されるIGF-1発現の変化を対照脚と比較した。結果、肥大筋ではGH受容体発現の低下が見られたにもかかわらず、IGF-1反応には対照脚と比較して低下は観察されなかった。 筋肥大初期に肥大筋で生じるGH受容体の発現の低下には、GH誘導性のIGF-1反応には影響しないと考えられる。
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