研究課題
基盤研究(C)
血中脂肪酸結合タンパク質4(FABP4)濃度は筋力系競技者よりも有酸素性系競技者で低値を示した。これは、トレーニング様式により血中FABP4濃度に対する影響が異なることを示唆している。また、一過性の有酸素性運動では運動中、血中FABP4濃度に変化はなかったが、運動終了後以降に血中FABP4濃度が上昇した。このことは運動中に生じる何らかの生理的要因が運動後の血中FABP4濃度に影響を及ぼしていることを示唆している。
運動生理学
本研究成果は、運動に対する血中FABP4の応答を明らかにでき、FABP4の生理的役割を解明する上で有用な情報を得られたことである。一般的に血中FABP4の増加は疾患の発症と関連するが、運動中や運動後で生じる血中FABP4増加の意味はそれとは異なる生理的反応であると考えられる。今後、その意味を明らかにすることは、運動により生じる生理的適応や反応の理解に繋がるとともに、運動の新たな効果やその機序の発見にも貢献できると考えられる。