少年サッカークラブの運営や指導に携わりながら生活する人びとに焦点をあて、クラブ運営実践の論理について検討した。激しい競争を伴うサッカー界のピラミッド構造の中で存続していくためには、他のクラブとの差異化が求められる。しかし、少年サッカークラブの運営では「拡大」の論理ではなく、クラブ内外の活動を通した複数の「共同的な関係性」を確保することが重要であり、地域的な相互作用を生み出すことで安定的・持続的な経営が可能になることが分かった。個別具体的な活動を通して構築される多層的で緩やかな「共同的な関係」によるクラブ運営の定常化は、新たな「クラブ文化」の想像をもたらす可能性がある。
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