ダーツ課題におけるリスク感受性が、陸上競技の瞬発系の種目と持久系の種目におけるペース配分に影響するのかを検討した。 実験1 1.調査対象 中学校陸上競技部中長距離選手60名2.リスク感受性の測定 ダーツ課題において、期待値は同じとなるlow risk low return:LRの的とhigh risk high return:HRの二つを用意して、いずれかの的から挑戦するように指示した。なお、どちらの的を選ぶかは1投毎に選択して良いこととした。対象者は、15試行×2ブロック投げた。3.リスク感受性の判定 2ブロック目15試行において、HRの的を選択した割合が80%以上の者16名(男子9名、女子7名)をリスク選択群、HRの的を選択した割合が20%以下の者20名(男子9名、女子11名)をリスク回避群とした。4.1000m走ペース配分の測定 100m毎に計測した区間タイムを1000mのゴールタイムで割り、各区間を百分率で表した. 5.統計解析 群(2)×性(2)×区間(10)の3要因分散分析を行った。統計的有意水準は5%とした。6.結果 3つの区間において群間差が見られた。0-100と200-300の区間において、リスク選択群の方がリスク回避群よりも速かった。500-600の区間において、逆に、リスク選択群の方がリスク回避群よりも遅かった。 実験2 1.調査対象 中学校陸上競技部選手115名2.統計解析 群(2)×専門種目(2)×区間(4)の3要因分散分析を行った。3.結果 群との交互作用はいずれもみられなかった。専門種目と区間の交互作用が有意であった。100-200mの区間において、短距離選手の方が長距離選手よりも速かった。300-400の区間において、逆に、短距離選手の方が長距離選手よりも遅かった。
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