本研究の目的は、運動部活動における心理欲求の充足・不満が適応感に及ぼす影響を検討することであった。大学運動部員83名を対象に、心理欲求の充足と不満(計6下位尺度)と居心地のよさの感覚、課題・目的の存在、被信頼・受容感、および劣等感のなさの4下位尺度からなる適応感を測定した。 適応感を目的変数、心理欲求を説明変数とした重回帰分析の結果、心理欲求の充足・不満は適応感と密接な関連が示されたことから、心理欲求の充足・不満尺度は、運動部活動指導の改善・充実のみならず、不適応予防のための有益なツールであることが明らかとなった。
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