覚醒行動下にて上肢の到達把握運動課題を遂行中のマカクサルから、中脳赤核の大細胞性、小細胞性両方の細胞の電気生理学的活動を記録することに成功した。 これらの複数の細胞活動の同期ー非同期を到達把握運動の異なるフェーズで評価すると、運動中には同期を示すが、運動を終えた数十ms後に顕著な非同期発火を 示すことを発見した。これは上流の小脳皮質プルキンエ細胞の教師信号が小脳核経由で非同期に発火し、出力先の赤核細胞に影響を与えていることと考えられ、小脳モジュール間の相互作用を明らかにする重要な手がかりとなる。今後この非同期発火の前後の筋活動の変化を観察することで運動の適応過程の解明に取り組む。
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