研究課題
基盤研究(C)
糖鎖修飾を受けたヒト・アポE2、3、4及び糖鎖修飾を受けない同様のアポE変異体の発現及び精製系を確立した。これらを用いてアポE-nHDLを調製し、神経損傷モデルのマウス脳室内に注入し、その動態を解析したが神経細胞へのアポE-nHDLの取込みは見られなかった。また、調製したアポE及び家族性変異タウ蛋白を線維化タウ蛋白シードと共に神経由来の培養細胞に導入したが、変異タウ蛋白の凝集体やリン酸化状態に変化は見られなかった。
栄養科学
本研究では、これまでほとんど注目されてこなかったアポEの糖鎖修飾が与えるアポEアイソフォーム間の生理機能の違い、特に神経細胞への影響を解析した。本研究による中枢神経系におけるアポE含有リポタンパク代謝の解析を通じて、散発性アルツハイマー病発症におけるアポE4の役割を解明することで、病態解明や予防、さらには治療の基礎を築くためのいくつかの知見が得られたと考えている。