研究課題
基盤研究(C)
本研究は、長時間座位時に弾性ストッキングを着用すること、または運動介入することにより、主に下肢血管機能にどのような影響を及ぼすか検討した。主要な結果は、1)3時間の座位安静時に弾性ストッキングを着用すると、下肢への血液貯留、心拍数の増加が抑制された。さらに、心臓副交感神経活動が亢進した。2)3時間の座位安静時、20分毎に自重スクワット運動を挟むと、下肢の動脈硬化指標の急性の悪化が抑制された。さらに末梢血管拡張反応が座位前と比較して座位後に改善した。
循環生理学
長時間座位中に1)弾性ストッキングを着用すると静脈貯留の軽減効果が認められ、かつこの効果は中心循環応答(心臓)とも関係していた。さらに、心理指標にも好影響があり、心臓副交感神経活動の活性とも関係していた。また、2)長時間座位中に自重スクワット運動を挟むと、脚の動脈硬化指標悪化は抑制されたが、上肢のそれは抑制されなかった。このことは筋運動が血管機能に重要な役割を果たしていることを示唆している。