研究課題
基盤研究(C)
本プロジェクトでは、まず代表的な非アルコール性脂肪性肝疾患モデルマウスの性差を調べる研究を行い、それに引き続いて非アルコール性脂肪性肝炎モデルマウスに対する3種のポリアミンの効果を調べる研究を行った。その結果、TSODマウスやdb/dbマウスの肝病変の性差は、ヒトに類似する経時的変化を示すと考えられ、FGF21の発現レベルが雌雄差に関与している可能性が示唆された。また、3種類のポリアミンの中でもプトレシンがマウスのNASHを抑制する可能性が考えられた。
肝臓の病理学
ヒトの非アルコール性脂肪性肝疾患には性差が見られるが、それを反映する動物モデルはこれまで確立されていなかった。本研究で、TSODマウスやdb/dbマウスの自然発生肝病変はヒトに類似する性差を示すことが示され、これらは性差に関する研究に使用可能なことが示唆された。また、ポリアミンの非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対する効果を調べた研究はこれまでにほとんどなかったが、本研究で、ポリアミンの中でもプトレシンがマウスのNASHを抑制する可能性が示唆された。