長寿に関わるとされるサーチュインの酵素活性に必須のNAD+ の細胞内濃度([NAD+])の制御機序解明は重要な研究課題である。様々な哺乳動物株化培養細胞および初代培養細胞において、[NAD+]は細胞の種類が異なっても比較的一定に保たれること、NAD+ 合成の律速酵素活性の高低に関わらずNAD+合成速度および[NAD+]は狭い範囲に保たれること、合成速度と分解速度はつり合うことを明らかにした。さらにこの律速酵素の発現を増加させても、NAD+ 合成速度は比例して増加せず、さらに分解速度も同程度に増加すること、結果として[NAD+]は顕著に増加しないことを明らかにした。
|