研究課題/領域番号 |
18K11078
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
服部 秀美 宮崎大学, 農学部, 准教授 (80508549)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 脂肪細胞 / マイクロパーティクル / 好中球 / 耐糖能異常 / 非肥満 |
研究実績の概要 |
脂肪組織由来間質細胞(ASCs:脂肪前駆細胞を含むヘテロな細胞群)あるいは脂肪細胞と好中球(Gr-1陽性細胞)との相互作用をin vitroで検討した。まず、マウスの皮下脂肪組織からASCsを採取し大量培養を行った。ASCsを脂肪細胞分化誘導で脂肪細胞に分化させた。マウスの腹腔にカゼインナトリウムを注入し24時間後、腹腔内に浸潤する細胞を採取しGr-1陽性細胞をMACSにより単離した。ASCsと好中球、及び脂肪細胞と好中球の共培養を行った。24時間後、培養上清を採取し、サイトカイン・ケモカイン、マイクロパーティクル量を測定した。ASCsとの共培養は、ASCsの継代数が少ないほどTNFaなどの炎症性サイトカイン分泌量が高くなり、マイクロパーティクルの発現量も多くなった。脂肪細胞との共培養の場合、未分化の細胞が多いほど炎症性サイトカインの分泌量が高くなった。ただ、炎症性サイトカインの濃度が高い場合は、IL-13などの抗炎症性サイトカインの分泌量も高くなっていた。 さらに、果糖ぶどう糖液糖水を過剰摂取させた非肥満耐糖能異常モデルマウスを作製した。膵臓のglucokinase、ketohexokinase、glucose transporter 2のmRNAの発現が著しく低下しており、それによりインスリン分泌不全が生じていることが示唆された。また、膵臓のamylaseのmRNAの発現も著しく低下していたことから、膵臓機能の低下が起こっていると考えられた。加えて、HE染色により異所性脂肪蓄積を調べたが確認できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞の共培養で出現するマイクロパーティクルをフローサイトメーターで分析できる十分量を採取することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
マイクロパーティクルがフローサイトメーターで分析できるよう培養スケールを大きくする。In vivoにおける異所性脂肪蓄積においては、大腿部にグリセロールを注入することにより解析を試みる。さらにマウスの週令の変更も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
フローサイトメーターによる解析を十分に行うことができなかった。次年度、抗体の購入に充てる。さらに学会発表のための旅費を使用しなかったため、英語論文掲載料の経費に充てる。
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