外力を加えて下肢を他動的に動かすことで,前頭前野の酸素化レベルが低下することが知られている。本研究では,他動的な歩行様の動作(他動歩行)による前頭前野酸素化レベルの変化を検討した。他動歩行は,立位姿勢と仰臥位姿勢の2つの姿勢で実施した。後者の姿勢では,下肢のみの動作と腕ふり動作を加えた全身動作の2種類の試技があり,それぞれの試技で着地を模擬した足底への加圧がある場合と無い場合を行った。両姿勢ともに動作開始前と比較して,動作時に有意な酸素化レベルの低下は認められなかった。また,仰臥位姿勢の他動歩行では,腕ふり動作の有無や足底への加圧の有無によって酸素化レベルの変化に差異が認められなかった。
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