因子分析とは,多数の変数の原因となる少数の共通因子を抽出する統計解析法である.ここで,変数と共通因子の例として,テスト問題に対する回答の得点と知的特性,および,行動パターンと性格特性が掲げられる.この因子分析の行列代数に基づく計算法に焦点をあて,次に列挙する解の性質を証明にした.[1] 共通因子とそれとは別の独自因子に係数を乗じた部分の解は,一通りしか存在しないことを示した.[2] 解への条件を付加すると,共通因子・独自因子・誤差が完全に分利した解が得られることを示した.[3] 因子分析に類似する統計解析法に主成分分析があるが,それと因子分析の解の違いを明示する不等式を導出した.
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