本研究の成果は,通信機能が非対称な耐故障ルーティングの実現方法と必要なルータの構成を解明したことである.従来の耐故障ルーティングの研究では,故障要素を迂回することが常識であったが,本研究では,通信機能の縮退を許可することで,通信機能単位の故障の考慮や故障要素の通過を可能にしている.これは,耐故障ルーティング法の設計において,迂回とは異なる新たな選択肢を提示するものである.また,本成果により,従来の通信性能を大きく上回るルーティングの実現可能性が示され,並列プロセッサシステムの高性能化・大規模化に貢献するものと期待される.
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