研究課題/領域番号 |
18K11329
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
伊東 拓 日本大学, 生産工学部, 准教授 (80433853)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | メッシュレス法 / 電磁波伝搬シミュレーション / 仮想節点 / 形状関数 / IMLS |
研究実績の概要 |
今年度は,MTDM (Meshless Time-Domain Method) による電磁波伝搬シミュレーションにおいて,安定性に影響を与える可能性のある形状関数生成法について検討した.形状関数生成法として,Interpolating moving least-square method (IMLS)がしばしば使用されるが,IMLSでは注目している節点とその近傍節点を使って形状関数を生成する.そのため,節点分布が一様でない場合,不自然な形状関数の値の分布になってしまう場合がある.具体的には,解析領域の境界近傍の節点に注目した場合,領域外には節点が存在しないため,近傍節点は片側に偏って存在することになる.本研究では,境界近傍の節点に注目し自然な値の分布の形状関数を生成するために,形状関数生成時のみ使用する仮想節点を境界近傍の領域外側に配置し,境界近傍でない節点に注目したときの形状関数と同様の分布にすることを目指した. 比較的簡易な例として直線導波管における電磁波伝搬解析を考え,仮想節点が境界近傍の領域内部の節点と境界線に対して対称になるように配置した.仮想節点により,形状関数生成時に節点分布が全方向に一様になり,境界近傍であっても,領域内部の節点に付随する形状関数と同様の分布になる例を確認した.MTDMでは,実際には形状関数の微分が必要になるが,微分の値は特に改善が見られた.仮想節点を使った場合でもシミュレーションは安定しており,数千万ステップ経過しても破綻なく計算できることも確認した. 研究成果は,国内外の会議や研究会で積極的に発表し,論文としても投稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度も研究を進めるためにできる限りのことは実施したが,Covid-19の影響で授業のオンライン対応などの学内業務に多くの時間を割く必要があった.また,オンラインで実施された国内外の会議にも参加して研究発表をしたり,他者の発表を聞いたりすることはできたが,オンラインでは様々な参加者と情報交換したり議論したりする場や時間が限られていた.例年これらの議論等から研究の方向性が定まったり,新たな知見が得られたりすることが多かったが,今年度は議論の時間を十分に確保できなかったと考えている. 以上より,やや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は,安定性に影響を与える可能性のある形状関数生成法について検討し,IMLSを使った場合に,直線導波管において仮想節点を配置することで,境界近傍であっても領域内部の節点に付随する形状関数と同様の分布になる例を確認した.直線導波管では比較的簡単に仮想節点の配置場所を決定できたが,今後は曲げのある導波管や,単純な直線でなく入口と出口のサイズが異なる導波管等においても,仮想節点の配置とシミュレーションの安定性について調査することを検討している. 加えて,2019年度に提案した発泡金属のOpen cellという状態のモデリング法を利用し,生成した発泡金属モデルを電磁シールドとして使用可能かどうかについて,2020年度後半からシミュレーションによる評価を始めている.次年度も引き続きこの評価も実施していくつもりである.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) Covid-19の関係で,今年度予定していた国内外の会議や研究会への出張が全て取りやめになったため.また,高性能計算サーバの購入を計画していたが,Covid-19の影響で授業のオンライン対応などの学内業務が増えてしまい,研究活動は最低限しか実施できないと判断し,購入を見送ったため. (使用計画) 2021年度内にCovid-19が収まって出張ができるようになった場合には,国内外の会議や研究会等に参加するための旅費及び登録費として使用することを考えている.また,論文投稿料などの経費にも使用するつもりである.加えて,2020年度に見送った高性能計算サーバの購入も計画している.その際,可能であれば最新GPUを搭載しているものを購入するつもりだが,GPUの価格や発売スケジュール等を勘案し,状況によってはGPUの搭載には拘らず,柔軟に対応する.
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