COVID-19による一時的な落ち込みはあったものの、日本語を母語としない話者の日本社会への浸透は今後急速に進むことが見込まれ、音声コミュニケーションによる意思疎通の必要性がより高まる。日本語は長音、促音など特殊拍の成否で了解性や自然性が決定づけられる箇所が多く、学習者の習得レベルによらず共通した問題となっている。特殊拍の識別が一義的には時間的な弁別に帰すること、そのために必要な時間知覚能力は、健聴者であれば、母語によらず十分備わっていることを科学的裏付けとともに知らせるだけでも学習を動機づける一助になると思われる。
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