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2019 年度 実施状況報告書

膨大な映像を高精度に検索/選別するための映像特徴の状況別選択性の細粒度モデル構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K11386
研究機関国立情報学研究所

研究代表者

片山 紀生  国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 准教授 (60280559)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード映像特徴量 / 状況別選択性 / 放送映像アーカイブ / 映像検索 / 映像選別
研究実績の概要

現在、社会には膨大な映像メディアがあふれているが、それらを有効かつ安全に利用するために必要となる映像検索や映像選別の技術はまだ十分な精度では確立できていない。そのような技術の確立を難しくしている要因としては、映像内容の多様性に由来する対象依存性や定量的解析の困難さがある。本研究の目的は、これらの問題を、大量の映像データに対する「状況別選択性の細粒度モデル化」というアプローチによって克服することにある。
研究期間の第2年度となる2019年度には、言語特徴量および映像特徴量の性能比較を進め、特徴量の組合せ方の最適化を進めるとともに、実験システムの設計・開発を進めた。特に、特徴量および実験システムの具体性および実用性を高めるため、提案手法の防災・防犯への応用可能性について検討を進めた。
近年の災害の大規模化、および、犯罪・事故等の複雑化により、防災・安全に対して高い意識を持つことが社会的に重要になっている。また、社会の高齢化およびストレス化の弊害から記憶障害や精神疾患が増加しており、そのような人々をどのように支援するかが社会的な課題となっている。認知症と精神疾患に共通する問題として記憶障害がある。認知症患者に記憶障害が見られることはよく知られているが、精神疾患のひとつであるうつ病においてもしばしば記憶障害が見られることが知られている。
そのため、高齢者や精神疾患患者を支援する方法のひとつとして、記憶力の低下を補うために、忘れた記憶やおぼろげな記憶、あるいは、社会からの隔絶などにより獲得する機会の無かった記憶を、改めて獲得し直す機会を支援することが考えられる。我々は、このような支援を記憶補完支援と呼び、社会の高齢化や高ストレス化に向けた支援策のひとつになり得ると考えている。今後、プロトタイプシステムの実装を進め、実現可能性および有用性の評価を進めていく考えである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、研究期間を3年としており、第2年度となる2019年度では、最適化法の探究および実験システムの設計・開発を計画していた。その目標をおおむね達成できたことから、「おおむね順調に進展している」ものと考えている。

今後の研究の推進方策

本研究では、最終年度となる2020年度には、実証実験を中心に研究を進める計画である。具体的には2つのステップを計画しており、1つめのステップは、1万時間規模の放送映像アーカイブを用いた映像検索/映像選別の実証実験、2つめのステップは、実証実験を通じてのアルゴリズムならびにデータ構造の高速化/効率化となっている。これらのステップによって、提案手法が実用的な速度と精度を有することを実証するとともに、性能評価を繰り返すことにより、アルゴリズムおよびデータ構造の改良を進めていく考えである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 防災・安全を目的とする記憶補完支援へのテレビアーカイブの応用可能性2020

    • 著者名/発表者名
      片山 紀生
    • 学会等名
      電子情報通信学会 技術研究報告 (PRMU) 119 (481) 187-189

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公開日: 2021-01-27  

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