研究課題/領域番号 |
18K11451
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
桑原 和宏 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10374092)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 知識コンテンツ / 会話戦略 / クラウドソーシング / ゲーミフィケーション |
研究実績の概要 |
本研究は高品質の知識ベースを構築する手法を明らかにすることを目的としており、特に知識ベースの内容(知識コンテンツ)に不足や不具合が発見された時に、ユーザに質問を提示し、その回答として情報を引き出すことで、知識コンテンツを精錬することを目指している。今年度は、ユーザから獲得した知識コンテンツの正当性の検証をクイズゲームの形式で確認することを想定し、ユーザに対して質問を提示する順番の戦略が、正当性の検証の効率に与える影響をシミュレーション実験により評価した。ここでは、一般ユーザから獲得した誤りを含む可能性がある知識コンテンツを仮定し、一般ユーザに対して知識コンテンツの正当性を問うクイズをゲームとして提示することを想定した。ユーザが必ずしも正答を返すとは限らないという仮定のもとで、多くのユーザが参加するクラウドソーシングを想定したシミュレーションのモデルを構築し、クイズの提示順の戦略と正当性検証の効率との間の関係を調べた。あわせてユーザのインセンティブを確保するためにユーザに対して報酬を与える方式を検討し、シミュレーション実験により、正答率が高いユーザがより高い報酬が得られる傾向があることを確認した。さらに報酬を計算する過程の透明性を確保するためにブロックチェーンを適用する方式についても検討を行った。また、引き続き対話的推薦システムにおける知識コンテンツの精錬について検討を行うために、今年度はグループ推薦システムを対象として、システムとユーザとの間の会話制御におけるシミュレーションモデルを構築し、会話制御の効果をシミュレーション実験により評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ユーザ(クラウドソーシングのワーカー)のモデルを構築し、それを用いてシミュレーション実験による評価を行ったが、既に入力された知識コンテンツの正当性の検証のみを対象とした限定された評価実験にとどまった。
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今後の研究の推進方策 |
知識コンテンツの正当性の検証以外についても提案手法の精緻化を行い、シミュレーション実験による評価実験を推進する。さらに他の対象領域への適用も合わせて具体化していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響で発表予定であった国際会議がオンラインでの開催に変更になり、当初予定していた旅費の執行が不要になった。この分については、旅費の予算が立てづらい状況であり、実験用の計算機環境整備のために、今年度の予算と合わせて物品費として執行することを予定している。
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