研究課題
基盤研究(C)
脳は,神経細胞同士が繋がったネットワークである.脳の様々な領域に共通する神経細胞間の解剖構造に着目し,本研究では,それらを脳同様に相互結合するリカレントニューラルネットワークの初期構造として導入し,興奮性神経細胞と抑制性神経細胞を区別する構造で,過学習が抑制され性能向上に寄与することを示した.また,部分的な結合性が故障に対する頑健性向上に寄与することを示した.これらの寄与は相補的であり,脳構造の性能向上と故障に対する頑健性向上への機能的役割が示唆される.
計算論的神経科学
脳の様々な領域に共通する解剖構造によるリカレントニューラルネットワーク(RNN)の性能向上と故障に対する頑健性向上への寄与を示した.初期構造として導入するだけで学習後の性能向上につながるため,計算コストが少なくて済む.そのため,これらの知見は,計算資源が乏しく,一部が故障しても性能を維持する必要のある状況におけるRNNに適用でき,適用範囲の広いRNNの初期化手法としての応用が考えられる.