研究課題/領域番号 |
18K11842
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
大谷 尚之 愛媛大学, 社会共創学部, 准教授 (60436293)
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研究分担者 |
山村 高淑 北海道大学, 観光学高等研究センター, 教授 (60351376)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アニメコンテンツ / ツーリズム / トライアングル・モデル |
研究実績の概要 |
本研究は、研究分担者である山村が提唱した「アニメツーリズムのためのトライアングル・モデル」(アニメコンテンツにかかわる製作者・ファン・地域社会の三者間関係に着目してアニメツーリズムをとらえるモデル)を援用し、「アニメ聖地」の持続性について考察するものである。令和元年度の実績は次の通りである。 研究代表者である大谷は、埼玉県久喜市鷲宮における現地調査を基にした論考「地域における共生の場の生成-アニメ聖地・埼玉県鷲宮を事例として」(笠井賢紀・工藤保則編『共生の思想と作法』所収)を刊行した。アニメファンと地域社会との関係を「共生」という視点から考察した成果である。他に、愛媛国際映画祭におけるパネルディスカッション「ご当地アニメーション作品は観光・誘客に繋がるか」(2020年1月)や情報誌(『舞たうん』公益財団法人えひめ地域政策研究センター)の解説記事などにおいてその成果の一部を発表した。令和2年度には、宮城県白石市における現地調査を基にした研究成果を発表する予定である。 研究分担者である山村は、観光学に関する事典(白坂蕃・稲垣勉・小沢健市・古賀学・山下晋司編『観光の事典』朝倉書店)を分担執筆し、「クールジャパン」の項目を担当した。また、「第10回TOYAKOマンガ・アニメフェスタ」(2019年6月)において、本研究課題に関連する複数の研究会(「製作サイドから見た地方イベントの課題と可能性」「アニメ誌編集長から見た地域×アニメ作品コラボレーションの最新動向」)を開催すると共に、イベント参加者に対する聞き取り調査と行動調査を実施した。 最終年度は、これまでに実施した複数の事例研究を踏まえて討議を行い、報告書をまとめる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大により、年度末に計画していた研究会や現地調査、打ち合わせなどを実施することができなかったため、進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の収束状況を注視しながら、複数のプランを用意して弾力的に研究を進める。当初の研究計画では半公開型の研究会を開催する予定であったが、現時点(2020年5月)では開催の可否を判断することが難しい状況である。対応策として、現地調査については、安全性に配慮した少人数でのインタビューやオンラインでの実施、また研究成果の公開については、web上での報告書の公開や書籍の刊行などを検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、年度末に計画していた研究会、現地調査、打ち合わせ等を実施することができなかったため、旅費、謝金等の支出が当初の計画よりも大幅に少なくなった。 令和2年度についても、新型コロナウイルス感染症が収束しない場合には、旅費や謝金等の支出が難しくなる可能性がある。その場合には、文献調査へのシフトや研究成果の出版準備などを進め、図書・資料購入、出版社との打ち合わせやテープ起こしに要する費用に充当することを検討している。 いずれにしても、新型コロナウイルス感染症の拡大状況に合わせて研究計画を常に見直しながら柔軟に研究を進める予定である。
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