骨などの硬組織を再建する材料として、ケイ酸塩やリン酸塩などのガラス材料が有用と期待されている。これまでは、骨形成を担う細胞(骨芽細胞など)に対するこれら材料、および材料から溶出する無機イオンの影響について研究が進められてきた。しかし、細胞の機能発現に大きく影響を及ぼす免疫系細胞に対する影響はほとんど皆無であった。よって本研究課題で得た成果は、免疫系をも考慮した新規材料の設計指針を提供すると考える。また、ガラス材料の多くは柔軟性や成形性に乏しいため、優れた操作性を兼ね揃えた材料が求められていた。本研究課題で作製に成功した綿状の繊維構造体は新しいタイプの生体活性材料として有用と期待される。
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