NIRS装置は心理・教育分野から臨床診断まで広い分野に広がり、医療機器として日本発の国際規格が策定されるなど、装置の性能担保の需要が高まっている。この性能担保において、生体組織では再現性や均質性に欠けるため、生体模擬試料(ファントム)が用いられている。このファントムには、従来、ポリアセタールなど硬い樹脂が用いられてきたが、樹脂同士あるいは光プローブとの接点に空隙が生じてアーティファクトを生じる等の問題点がある。そこで本研究では、この空隙の影響を軽減できる柔らかい素材を用いたファントムの作製法を開発した。
|