13世紀後半から14世紀前半の天使論を理論的に整備するための作業として、(1)ボナヴェントゥラとトマス・アクィナスという二人のスコラ学者に関して、天使の種が一つか複数かという議論を哲学史的な観点から分析した。より個別的には、(2)トマス・アクィナスの天使論に焦点を当てて、種が個であるという種の個体説を以上の(1)から得た知見の下に再検討した。(3)ボナヴェントゥラの質料形相論に注目することで、天使論に自然学的なアプローチを用いる彼の議論を再構成し研究発表を行った。 以上と並行して、ドゥンス・スコトゥスの天使論に関する一次文献の翻訳を公刊した(本邦初訳)。
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