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2018 年度 実施状況報告書

1930年代アメリカにおける「忘れられた人々」をめぐる写真とテクストの表象

研究課題

研究課題/領域番号 18K12334
研究機関関西学院大学

研究代表者

高村 峰生  関西学院大学, 国際学部, 准教授 (90634204)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード写真と文学 / モダニズム / 1930年代
研究実績の概要

当初、研究は「1930年代のアメリカにおける」という限定をつけていたが、研究の背景としてはトランプ政権誕生に至ったポピュリズムの興隆や白人労働者階級の問題があり、研究はつねに現在時と過去を弁証法的に往還するものとなった。
平成30年度には学会や研究会での発表は3件、12月頃から年度末に2つの論文を執筆したが、その発行は平成31年4月になった。論文の一つは、平成30年に学会のシンポジウムで発表したディストピア小説の近年のドラマ化を掘り下げたものである。もう一つは、平成30年12月に神戸大学で行われた「コンタクトゾーン」をテーマにしたシンポジウムで発表した、D・H・ロレンスとウィラ・キャザーという二人の作家がニューメキシコ州タオスで先住民に対してどのような観察・記録を行ったかということについての考察である。
より科研費採択課題に沿った研究としては、アースキン・コールドウェルとマーガレット・バーク=ホワイトの共著、『You Have Seen Their Faces』と ウォーカー・エヴァンスとジェイムズ・エイジーの共著、『Let Us Now Praise Our Famous Men』のイメージとテクストの関係性について考察を深めることができた。また、これに関連して、Catherine Morley, Nathaniel Mills, Paula Rabinowitzらによる1930年代のアメリカについての研究書を精読することができた。この成果の一部は平成31年のアメリカ学会におけるシンポジウムで発表する予定である。
さらに、平成31年度の日本英文学会における「ヒルビリー」をテーマとしたシンポジウムに登壇する予定だが、その準備として、現在の「ヒルビリー」についての分析を中心にしながらも、その状況を不況下の1930年代の状況と重ねながら考察した。これは現在引き続き考察を続けているテーマである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初設定したテーマがかなり具体的かつ限定的であったため、実際の研究はそれよりも広い範囲のものとなっているが、元のテーマの研究自体は順調に進んでおり、平成31年6月のアメリカ学会の発表において一つの成果を示せると思う。

今後の研究の推進方策

上記の6月の研究発表以降は、トランプ政権化における文化・文学ということを念頭に現在のアメリカと過去のアメリカの交錯について、すでに発表した論文などをもとにしながら著作を計画している。今年度中に大まかな著作のプランをまとめ、来年度中の発刊を目指し、研究をまとめていく。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 1920年代のホピとプエブロ――D・H・ロレンスとウィラ・キャザーの交差する時間2019

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 雑誌名

      美学芸術学論集

      巻: 15 ページ: 138-169

  • [雑誌論文] ディストピアと宗教:マーガレット・アトウッドの『侍女の物語』とフィリップ・K・ディック『高い城の男』のドラマ化をめぐって2019

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 雑誌名

      言語文化

      巻: 36 ページ: 82-99

  • [学会発表] 1920年代のホピとプエブロ――D. H. ロレンスとウィラ・キャザーの交差する時空間2019

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 学会等名
      第13回神戸大学芸術学研究会 「コンタクト・ゾーンとしての身体――アメリカから考える」
    • 招待講演
  • [学会発表] "The Economy of Sympathy in the Dystopian World." "Performing Empathy: When Literary Texts Are Acts of Kindness."2019

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 学会等名
      Pacific Ancient and Modern Language Association 116th Annual Conference
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] モダニズムにおける「快楽」と「本物性」――ロレンス、プルースト、写真2019

    • 著者名/発表者名
      高村峰生
    • 学会等名
      第49回日本ロレンス協会全国大会、シンポジウム「ロレンスに触れる―象徴、劇場、写真」
    • 招待講演

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公開日: 2019-12-27  

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