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2018 年度 実施状況報告書

契丹大字と契丹小字の比較に基づく契丹大字表記システムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K12370
研究機関京都大学

研究代表者

武内 康則  京都大学, 白眉センター, 特定助教 (40725371)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード契丹語 / 契丹文字 / モンゴル諸語 / 文字論 / 歴史言語学
研究実績の概要

本研究課題は、契丹大字と契丹小字の文字体系の組織的な比較研究を中心としているが、その前提としてそれらの文字によって記録された、契丹語の性質の理解が重要と言える。特に、契丹語はモンゴル諸語と関係があると一般的に考えられているものの、直接の子孫となる言語が現在伝わっていないため、モンゴル語史における位置づけについて研究者の意見が一致しているとは言えない。近年この問題に関する専著が出版され、モンゴル諸語と鮮卑系言語(契丹語、拓跋語、吐谷渾語など)との関係が論じられた。しかし、契丹語を除く鮮卑系言語は、歴史書等に断片的に記録された少数の語彙に限られており、それらのデータをもとに言語の親縁関係を論じるのは方法論的に問題がある可能性も否定できない。本年度は、この問題について集中的に研究活動をすすめ、研究書の内容について、その方法論や研究結果について検討を行った。今年度の研究成果については、書評論文として発表される予定である。また、今後の契丹大字と契丹小字の比較研究の基礎データを構築すべく、拓本や写真などに加え、本年度出版された契丹小字の研究書の録文等を参照しつつ、これまでに作成した電子データの校正作業を進めた。また、女真文字はその作成の際に、契丹大字から大きな影響を受けたと考えられていることから、女真文字資料の電子化に向けたフォントデータの作成を開始した。フォントの作成には、来年度以降も引き続きすすめていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題をすすめるに当たっては、契丹語と他の言語との親縁関係について理解を深めることは重要であるため、本年度の研究活動および研究成果は、契丹大字と契丹小字の比較という本研究課題の中心的な作業をすすめる上での基礎固めと位置づけることが出来る。研究活動は順調に進展していると言うことができ、今後は本年度の研究成果を踏まえ、実際の文字体系の比較研究へと展開する予定である。
本年度、契丹小字に関する研究書の出版があったため、その内容を検討し今後の研究に反映する必要がでてきたが、当初の計画を大きく変えるほどの影響はないと考えている。研究論文の出版に若干の遅延が生じているものの、総じて本年度の研究課題の進捗は順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、基本的には本年度のすすめてきた研究活動を引き続きすすめていく予定であるが、Huis Tolgoi 碑文など、契丹文字以外の文字によって記録された鮮卑系言語の資料についても、解読をすすめ、データとして利用する必要があると考えている。

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公開日: 2019-12-27  

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