研究課題/領域番号 |
18K12476
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大山 万容 立命館大学, 言語教育センター, 非常勤講師 (40773685)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 複言語教育 / 言語への目覚め活動 / 小学校英語教育 / 多元的アプローチ |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルスの感染拡大により、今年度もオンラインのみによる活動を余儀なくされたが、論文は順調に発表している。今年度の研究計画1と3について成果を報告する。 (1)教材作成:これまでに開発された教材はウェブサイト(https://www.yaekotoba.com/)に順次掲載している。海外で開発された教材を翻訳して応用するだけではなく、現職教員の発案にある複言語教育を目覚め活動の観点から取り上げ、教材作成を共同で行った。この結果は複数の論文として発表した。まず協力校の小学校において伝統的に行われている平和教育を、教諭による複言語教育といかに連続しているかを論じ、また食育を通した複言語教育プロジェクトを共同で構築し、論文を発表した。さらにオンライン教材を用いた複言語教育について、また、初等教育での目覚め活動の実践とフランス語教育への意義を論じた。 (3)アクション・リサーチ:直接の参与観察はできなかったが、国際的な協働のもと、オンラインでの教員養成を複数回行い、論文として発表した。まずフランス語圏で開発された教員養成の手法である「視覚的自伝」を用いて日本の教師が複言語教育志向を持つに至った経緯を解明し、教員養成に示唆を与えた。これは自身の担当する教員養成授業においても使用し、海外の論文集に投稿予定である。また、日本語が既に持つ複数性をどのように教育に活かすかを論じる中で、Translanguagingの言説を複言語教育の観点から批判的に捉えた論文を発表した。11月には別の科研プロジェクト(18H00688, 18K00700, 19K23092)との共催により、国際研究集会2020「ひとつの言語教育から複数の言語教育へ:CEFRからみた日本語、英語、外国語教育の連携と協働」を開催し、これは複言語教育の発展について国内外からの知見を交換する機会となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大のため、今年度に出席を予定していた国際会議が来年度に延期された。 また研究計画(3)で当初予定していた幼児・初等教育における授業参与観察が不可能になり、オンラインで海外の研究者や協力教員らと連絡を取りながら研究を進めたが、計画していたようなアクション・リサーチは実行できなかった。 さらに、前年度の国際研究集会による出版計画が、コロナ禍を受けた出版不況のため遅れており、来年度に持ち越された。
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今後の研究の推進方策 |
来年度に延期された国際会議はいずれもオンライン開催となる見込みであるため、オンラインで参加する。 国内の学校では、参与観察が可能になれば、感染防止に最大限に配慮したうえで計画通りアクション・リサーチを進め、できなければ引き続きオンラインでの定期的な教員養成活動を行う。 今年度の国際研究集会の成果を前年度までの国際研究集会の成果と合わせた出版計画を既に提出しており、これを進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの感染拡大のため、出席予定であった国際会議の延期、授業参与観察の遅滞、出版計画の遅滞があったため。 来年度はオンラインでの国際会議への出席、オンラインでの教員養成活動、さらに遅延していた出版計画を進める。
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