今年度は、昨年度に新型コロナウイルスの感染拡大により達成できなかったことを行った。本年度もパンデミックにより、ほとんどの研究活動においてオンラインのみを余儀なくされたが、論文は順調に発表し(Japan Journal of Multilingualism and Multiculturalism 、Revue japonaise de didactique du francais)、学会発表(ICP2020+、EDiLiC )や研修の機会(第22回外国語教育実践を語り合う会、教師のためのことばセミナー)も多く持つことができた。昨年度から持ち越された研究計画1と3について成果を報告する。 1)日本での言語への目覚め活動の教材開発:これまでに本研究を通して開発した言語への目覚め活動教材はウェブサイト(https://www.yaekotoba.com/)に順次掲載しており、今年度は教材の英語版も作成した。さらに、本科研と共催で行った国際研究集会の発表をまとめた論考集(『多言語化する学校と複言語教育』)を出版し、複言語教育と移民の問題を考える上での教材として使えるよう、工夫した。 3)日本での言語への目覚め活動の教員養成:アクション・リサーチ:パンデミックに伴ない、直接の授業参与観察の機会は持てなかったが、2019年度までに行った参与観察を元に論文を2本発表し(Japan Journal of Multilingualism and Multiculturalism 、Revue japonaise de didactique du francais)、また国際的な協働のもと、日本における複言語教育についてオンラインで開催された国際学会で海外に発信したり(ICP2020+、EDiLiC )、国内でも教師やALT向けのオンラインでの教員養成を複数回行った。こうした発表をきっかけとして、複言語教育を実践したいと望む教師らと知り合い、新たな実践研究の計画が立ち上がるなど、研究活動を通して着実に複言語教育のコミュニティが育っている。
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