研究課題/領域番号 |
18K12520
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
辻 大和 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (50632303)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 朝鮮王朝 / 東アジア / 貿易 / 清朝 / 地理書 / 国境 / 朝貢 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は18世紀朝鮮における対清貿易の変容を探ることであるが、今年度は前年度につづき台湾・中国での未公刊資料調査を行い、開市貿易の変容(特に関税)について分析を深め、発表を行った。(1)台湾・中国での未公刊資料調査として、台北、北京で調査を行った。台北では清朝の公文書を所蔵する中央研究院歴史語言研究所および国立故宮博物院図書文献館、北京では同じく清朝の公文書を所蔵する中国第一歴史档案館において調査を行った。とりわけ中江の管理官からの報告や盛京将軍関係の文書を中心とした。(2)開市の変容について、貿易管理の変容(特に関税)について情報を集約し、そのプロセスに接近した。(3)発表に関しては、前述の開市変容について、2019年6月に韓国成均館大学校史学科BK21+事業団が主催する2019年国際学術大会で口頭発表「朝鮮後期外国との「開市(互市)」貿易の意義」を行ったほか、2019年8月に「明清史夏合宿2019」で関連研究(泉田 浩子氏報告「近世日本における北東アジア認識 ―明清交替期の韃靼漂流を中心として」)へのコメントを行い、2020年2月に九州大学韓国研究センター定例研究会 「韓国前近代の国際関係 ― その構図 ・ 特質への視座」において口頭発表「朝鮮後期の華人商人について」を行った。また当該テーマの関連文物の韓国における残存状況とその活用について、論文「コンテンツ時代における文化財」を『韓国朝鮮の文化と社会』18号に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成31年度は計画段階では開市の変容についての論文発表を行うとしたが、検討すべき課題が見つかり、慎重に作業を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は(1)開市変容についての論文発表を目指す。(2)朝鮮の対清銀輸出の減少についての分析として銀貿易の変容(特に減少)について情報を集約し、そのプロセスを明らかにする。(3)Association for Asian Studies (AAS)での発表を検討する。ただし、新型コロナウィルスの流行に伴い、国内での図書館等での調査および海外渡航は不透明な状況である、そのため計画の延期を検討する可能性もある。
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次年度使用額が生じた理由 |
開市の調査において検討すべき課題が生じ、研究に時間がかかり使用計画に遅延が生じた。次年度使用額は渡航費用、人件費などに用いる予定である。
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