研究課題/領域番号 |
18K12531
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
池尻 陽子 関西大学, 文学部, 准教授 (50795044)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 慧通禅師 / ジェドゥン・ホトクト / 乾隆帝 / 西蔵自治区档案館 |
研究実績の概要 |
2021年度は本来最終年度にあたるが、コロナウィルス感染症による活動制限を余儀なくされ、予定していた調査がこの2年停滞したうえ、成果報告を行う予定であった国際学会が延期されるなど、十分な研究活動と成果報告を行うことができなかった。特に、研究対象地域での史・資料収集と景観調査が本年度も実施できなかったことは非常に大きな痛手であった。 そうした中、本研究課題に関係する貴重な一次史料の影印本シリーズが中国で刊行され、日本でも入手可能となったことは僥倖であった。中でも、『清代西蔵地方档案文献選編』(全8巻、中国蔵学出版社、2017)には従来外国人研究者がアクセスすることが困難だった西蔵自治区档案館所蔵のチベット語文書が多数収録されている。本史料集は収録文書の選定に偏りが否めないことや、ボン大学が公開しているDigital Tibetan Archives Bonn (DTAB)に含まれる文書との重複もあり、注意が必要ではあるが、新出史料も多く本研究課題に資する文書が複数含まれている。また、『西蔵自治区档案館館蔵蒙満文档案精選』(四川民族出版社、2018)には、同じく西蔵自治区档案館に所蔵されているモンゴル語・満洲語の文書が整理され収録されている。中国での刊行から2年以上を経てようやく日本でも入手が可能となった。 2021年度はそれらの史料集に採録されている新出チベット語史料の解析を行なった。その一部成果として、ジェドゥン・ホトクトが乾隆帝から授与された「慧通禅師」の称号に関する研究報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述のように、コロナウィルス感染症による活動制限を余儀なくされたことが大きい。予定していた海外の文書館や研究対象地域の寺院での史料調査を2年以上実施できなかったことに加え、成果報告を行う予定であった国際学会も延期されるなど、十分な研究活動と成果報告を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
一年の研究期間延長を申請し、昨年度入手した『西蔵自治区档案館館蔵蒙満文档案精選』(四川民族出版社、2018)等史料集所収文書を使った成果発信を国内外で行う。 また、海外での調査が未だ困難である状況を踏まえ、国内での史料収集に積極的に取り組んでいく。具体的には、東洋文庫所蔵のチベット語・モンゴル語文献の利用を検討するほか、成田山仏教図書館に所蔵されている雍和宮関連チベット語・モンゴル語文書の調査を行う。 上記方法によって、できるだけコロナウィルス感染状況に左右されずに研究の推進と総括を行うことを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス感染状況により、予定していた海外の文書館での史料調査や国際学会参加を行うことができなかったため。2022年度も同じく海外での研究活動の見通しが立たないため、国内での史料調査および成果発信に切り替えて予算を使用することとする。
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