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2019 年度 実施状況報告書

法秩序形成プロセスに対する判断過程統制の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12626
研究機関佛教大学

研究代表者

宮村 教平  佛教大学, 教育学部, 講師 (40802864)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード手続的統制 / 立法の合理性
研究実績の概要

本研究は、「法律」および行政立法と呼ばれる「法規命令」と「行政規則」の制定過程に対する司法的統制の在り方の探求を研究課題とする。当該年度は、ドイツ公法学に関する議論状況の把握が予定されていた。
当初の計画通りの研究遂行を試みたところ、法律制定の合理性確保をめぐるドイツ公法学および法実務に関連して、①行政行為の合理性審査のための手続的統制手法を立法行為に転用することの是非はドイツ公法学でも論点となっていること、②そうした議論は主として立法者による制度形成が要請されてきた社会法や租税法領域で展開されてきたこと、③転用可能だとしても限界の設定をめぐり議論がなされていること、④近時の裁判例では新たな展開がみられること、の4点が判明した。
とくに①については、議会と行政機関で意思形成プロセスの構造が異なるがゆえに、行政行為の合理性審査のための手続的統制手法を立法行為に転用することはドイツにおいても多くの見解において否定的にとらえられており、完全な転用可能性を主張する見解は少数であることが判明した。また、③については、各論者によって異なる議会や行政機関、裁判所の位置づけが反映されており、それとの関連性を踏まえて検討する必要があることが明らかになった。④については、近時の連邦憲法裁判所の裁判例における手続的統制の検討をおこない、同裁判例については研究会にて報告した。
もっとも、現状での遂行状況を踏まえてその成果を公表する段階にはいまだ到達できていない。その理由は、②を前提として、そうした個別法領域で発展した傾向を一般化できるか否かについて検討が必要であること、④は本研究の申請段階では予想しえなかった事態であることが挙げられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

外在的な要因となるが、2019年度は、開始年度とは異なる研究機関に異動したことに伴い研究環境に大きな変化が生じたため、資料へのアクセスを含めた課題遂行全体に若干の支障があったことに加え、当初の計画では当該年度に渡独する計画であったが、新型コロナウイルス感染症のヨーロッパでの感染拡大に伴い、必要な資料の収集およびヒアリング調査を十分におこなうことができなかった。
以上の要因から、当初の研究計画から遅れが生じているとの評価となった。

今後の研究の推進方策

目下の状況ゆえに、所属機関や他大学などの研究機関への立入り制限が見込まれるため、まずは現時点で収集した資料の分析および検討をおこなう。
研究課題については、新たな裁判例が展開されており、その評価をめぐって学界においても意見の対立がみられるところであるため、それらの検討素材を通じて、ドイツ国内の議論状況の把握に努める。
状況の変化に応じて、追加の資料収集なども順次おこなう予定である。

次年度使用額が生じた理由

ドイツ渡航(3月)の旅費が前年度の使用額に計上されておらず、また本務校から研究費が支給されたため物品費の使用額も当初予定額より低く抑えられた。
研究結果の展開を踏まえて追加の購入を要する図書があることに加え、状況次第ではあるが、2019年度に遂行不能となったヒアリング調査を次年度におこなう計画であるため、次年度使用額はそれらの計画の遂行にあてる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ドイツ憲法判例研究(227)大学入学希望者に対する定員配分手続きの憲法適合性[連邦憲法裁判所第一法廷2017.12.19]2020

    • 著者名/発表者名
      宮村教平
    • 雑誌名

      自治研究

      巻: 96(4) ページ: 150-161

    • 査読あり
  • [学会発表] 2017年12月19日の第1法廷判決(BVerfGE 147, 253)2019

    • 著者名/発表者名
      宮村教平
    • 学会等名
      ドイツ憲法判例研究会

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公開日: 2021-01-27  

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