まず、令和4年度については、主にこれまでに取り組んだ調査の発表に取り組んだ。日本企業(国内)で働く外国籍社員ならびに日本人社員に実施したアンケート調査結果を「高度外国人材のジョブ・クラフティングとインクルーシブ・リーダーシップ:日本人社員との比較」として取りまとめ、分担執筆した書籍に掲載した(高尾義明・森永雄太(編著)『ジョブ・クラフティング: 仕事の自律的再創造に向けた理論的・実践的アプローチ』白桃書房、2023年)。 次に、研究期間全体についてである。本研究課題は、「若手研究における独立基盤形成支援(試行)」による追加交付決定を得て、研究体制の強化を図ることができた。一方で、令和2年度~令和4年度については新型コロナウィルス感染症の影響(いわゆるコロナ禍)により海外渡航が難しくなったため、研究計画に多少の変更および進捗に遅れが生じた。そうした困難はあったものの、研究目的については概ね達成することができ、査読論文2件(うち国際学術誌1件)、書籍分担執筆1件、学会発表9件(うち国際学会2件)という成果を生み出すことができた。なお、一部の実施済み調査については、本研究課題の研究期間で論文採録には至らなかったものの、引き続き国際学術誌の査読論文として投稿予定である。 また、本研究成果に関連して、研究代表者が政府の複数の委員会に専門家として参画する機会を得た(経済産業省・厚生労働省・文部科学省1件、厚生労働省1件、出入国在留管理庁1件)。これは、本研究成果の社会的価値が認めらたものであると言えよう。
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