今日、日本においての再犯率は高い水準にあり、更生保護の枠組みについての再検討が大きな課題となっている。その際、日本におけるこれまでの更生保護分野における歴史研究は多くなく、これまでどのような実践が行われてきたのかを総合的に研究したものは少ない。そのため本研究では、日本における更生保護実践も揺籃期でもある明治期、特に出獄人保護施設が増加した明治後半を時代対象として、当時の実践についての明らかにすることを目的とした。新型コロナウィルスの影響もあり、十分な資料収集はできなかったが、これまでの先行研究の再検討も行い、今後の更生保護史研究における課題などについて言及を行なった。
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