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2018 年度 実施状況報告書

分断社会における〈不良少年〉像の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K13093
研究機関神田外語大学

研究代表者

知念 渉  神田外語大学, 外国語学部, 講師 (00741167)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード非行 / 非行少年 / 不良少年 / ヤンキー / 言説 / DQN
研究実績の概要

本研究の目的は、雑誌、新聞、インターネットの記事を分析することにより、2000年代以降の〈不良少年〉言説の特徴を明らかにすることである。そのために初年度である2018年度は、以下の3つのことを行なった。
第一に、〈不良少年〉の言説に関する先行研究の収集と読解である。不良少年、ヤンキー、非行少年の言説に関する先行研究は数多い。それらを収集して知見を整理することで、本研究の学問上の位置付けおよび意義を明確化した。その作業を通じて明確化した本研究の意義とは、脱心理主義化しているであろう〈不良少年〉言説の特徴を明らかにすることである。
第二に、インターネット上にアップロードされている、ある動画のコメント欄を分析した。その動画は2分に満たないものであるが、数千件のコメントがついており、現代日本のインターネット上で、〈不良少年〉(インターネットスラングでDQNと呼ばれる)がどのように捉えられているかを分析するためには、適切な対象である。分析の結果、1980年代にみられたような「学校や家庭でストレスが溜まった結果としての非行少年」というよりも、少年が非行に走る原因は親や地域にあり、学校や教師は被害者であるという捉えた方がなされていることがわかった。この分析結果を、Hong Kong Baptist Universityで行われたMedia Education Summitで報告した。
第三に、朝日新聞のデータベース「聞蔵Ⅱ」を用いて、1989年から2018年までの「非行」というワードが含まれる記事を収集・整理した。この作業は、次年度(2019年度)に行う新聞記事の分析の準備である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画では、2018年度は、先行研究の収集・整理と、分析対象となる雑誌、インターネット、新聞の記事を収集・整理することであった。研究実績の概要で述べたように、すでにそれらの作業に加えて、実際に分析をして学会発表を行なっているため、本研究は順調に進展していると言える。ただし、まだ雑誌の記事については収集や整理ができておらず、これらの作業については、次年度に持ち越しとなっている。

今後の研究の推進方策

2019年度からは、実際に雑誌、インターネット、新聞の記事の分析にとりかかる。それらの分析の成果を2020年度、2021年度に公表できるように、分析を進めていく。また、雑誌の記事については、分析の焦点を定めなければ数が膨大になり、それらを全て収集することは不可能である。研究目的に対して適切に雑誌の記事を収集できるようにするためにも、インターネットや新聞の記事の分析を進めなければならない。そうした作業を通じて分析の焦点が定まり次第、雑誌の記事の収集も行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

雑誌の記事を収集・整理が次年度に持ち越しとなったためである。次年度使用額については、この作業を行うために使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Digital literacy in higher education: From Japanese cases2018

    • 著者名/発表者名
      Kyounghwa Yonnie Kim, Kosuke Yoshinaga, Seongsoo Baeg, and Ayumu Chinen
    • 学会等名
      Media Education Summit
    • 国際学会
  • [図書] 〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー2018

    • 著者名/発表者名
      知念 渉
    • 総ページ数
      276
    • 出版者
      青弓社
    • ISBN
      4787234455

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公開日: 2019-12-27  

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