本研究では、子育て支援における保育士の葛藤の解決モデルを作成するために、1)事例研究、2)文献検討、3)アンケート調査を実施した。 1)では保育士の子育て支援の意識には、母親規範意識と専門職倫理意識が併存しており、葛藤の解決には専門職倫理にもとづく意思決定が必要であること、2)では子ども及び保護者に対する倫理責任として、各8項目を明らかにした。また、倫理綱領の国際比較から、我が国の倫理綱領の課題と展望を考察した。3)では①いずれの葛藤パターンにも同程度に葛藤が生じること、②「子どもの保育をめぐる葛藤」が最多であること、③倫理知識をもつほど専門職倫理意識が高いことを明らかにした。
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