最終年度となった今年度は、新型コロナウイルスの影響で実施が延期となっていた測定を、10月~12月にかけて実施することができた。認定こども園に在籍する1~2歳児31人を対象に、加速度計を手首と腰に装着した状態で日常の園生活を送ってもらい、その様子を4.5時間にわたってビデオ撮影した。先行研究ではプレイパークに来場した子どもに対して、約20分の動作を撮影するにとどまっていたため、本研究ではより日常生活に近い環境で長時間のデータをとることができた。日常生活下で取得したデータに基づくモデルは、実験室環境下で作成されたモデルよりも、日常生活下での行動判別の精度が高いことが分かっている。本研究では、屋外での遊具を使った遊び、屋内での遊び、食事、昼寝など、1~2歳児の日常生活により近い環境でデータを取得できた点が強みとなった。 先行研究をもとに行動を分類するコーディングスキームを作成し、行動観察ソフトを使用して加速度生データとその時の行動が一覧となるデータセットの作成を行った。それらのデータセットを用いた機械学習や深層学習による信号処理には、高い専門性が求められる。そのため、名城大学理工学部電気電子工学科システム・情報通信研究室に分析の協力を依頼し、承諾を得た。これにより、研究がより強力に進展するための体制を整えることができた。現在は、3月までに行動観察が終了した一部のデータを使って解析を進めている段階にある。
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