研究課題
若手研究
研究期間を通じて、まずは不登校事例の特徴を洗い出し、二つのパターンで模擬事例を作成した。次いで、それらの模擬事例に対してどのような対応が想定されるかについて、日本とカナダの大学にて学生支援に携わる臨床心理学の専門家に調査をおこなった。調査の結果、不登校学生へのカウンセリングにおいて、日本の専門家は関係性の構築を重視する回答が多かったことに対し、カナダの専門家はカウンセリングの目的を明確にし、来談学生との間で共有する必要性を指摘する回答が多くみられた。
学生相談
研究期間内に実施した国際比較調査から、不登校学生への学生相談の現場において、誰にとっての、何のためのカウンセリングなのか、という観点を保持することの重要性が明確になった。不登校の大学生は、自分自身が何を望み、どのような将来を思い描いているのかを言葉にすることが往々にして困難である。不登校の大学生への支援体制を構築する際、まずはそこを明確化する作業を起点としなくてはらならないと考えられた。