未就学から小学校高学年までの人工内耳装用児に対して社会適応スキル検査を用いて対人関係/社会的スキルを評価した。健聴児に比べスキル獲得に遅れがみられ、年齢別のスキル獲得は、就学前群は遅れるが、小学校低学年群はキャッチアップし、小学校高学年群は遅れがみられるいう山型の結果であった。小学校高学年群において、対人関係スキルの下位領域である会話・コミュニケーションで遅れが見られ、冗談や皮肉の理解、常識的な受け止め方など複雑なコミュニケーションが要求されるようになり、困難が生じることを示唆していた。学齢期の対人関係構築の難しさは社会的自立を妨げる恐れもあり、継続的な介入の必要性を示唆する結果となった。
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