今後の研究の推進方策 |
最終年度となる本年度は昨年度までに得られた研究結果の成果発表(ヒト色覚メカニズムSSVEP実験、明度知覚の呈示時間依存性の実験等)を重点的に行う。また、同時対比の時間特性の決定要因となる視覚特徴横断的なメカニズムを探る心理物理学的研究も行う。これまでの研究では (1)明るさ・色・傾きの視覚特徴に関して、刺激呈示時間が短いほど同時対比の錯視量が大きくなること(Kaneko & Murakami, 2012など)(2)明るさ・色の同時対比には刺激呈示時間に応じて異なる発生機序が関与していること(Kaneko et al., 2018)が明らかになっている。これらの結果から錯視量をトップダウン的に制御する「遅い」メカニズムが存在すると考えられるが、そのようなメカニズムが各視覚特徴に特有に存在するか、あるいは特徴横断的に働く共通メカニズムであるかということは明らかでない。本年度は対象とする視覚特徴をさらに広げ、視覚特徴普遍的な同時対比メカニズムについて検討する。
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