環とその両側加群があるとき,自明拡大と呼ばれる操作によって次数付き環が構成できる.その次数付き環が岩永-Gorenstein環となるとき,自明拡大に用いた両側加群をasid加群という.本研究では,asid加群の構造に関する研究を行い,いくつかの興味深い知見を得た.例えば,ある代数に対して,任意のasid加群はasid数1のasid加群とテンソル積について冪零な加群の直和であること,asid数1のasid加群の集合にはテンソル積による群構造が入ることを観察した.これを参考に,ある一般的な設定の下で上記と類似の主張が成立することを明らかにした.
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