自由ループ空間とは、単位円から与えられた空間への連続写像全体の成す位相空間である。本研究の目的は、自由ループ空間の有理係数ホモロジーを考察し、ストリングトポロジーの文脈で現れる代数構造がもたらす多様体の幾何学的情報を調べることを目的とする。結果として、次の研究成果を得られた.(1) ループホモロジー代数の生成系に関する考察と、ストリング括弧積の新たな計算方法の導入.(2) 自由ループ空間に関するCartan calculusと、その構造とストリングトポロジー代数構造との関連性を明らかにした(3)ストリング余積の研究、特にHodge分解の次数に関する振る舞いを、pure多様体の場合に決定した。
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