非コンパクトリーマン面のタイヒミュラー空間の幾何学的構造はコンパクトリーマン面の場合とは異なり、カオス的な様相を垣間見せる。その主な原因は非コンパクトリーマン面には理想境界と呼ばれる果ての無い部分を持つことにある。 コンパクトリーマン面の場合には、Weil-Petersson計量が非完備であることからその完備化を考えることができ、その境界成分にはノードと呼ばれる結節点を持つリーマン面が現れる。本研究成果により、非コンパクトな場合でもその完備化の境界成分に何が現れるかを考察することが可能となった。
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